こんにちは、「びじたまアカデミー」学長のびじたまです。
前回は、
クリティカルシンキングの基本姿勢として
「目的は何かを常に考える」ことの重要性をお伝えしました。
どんな仕事も「やらされ仕事」にしないための第一歩として、
目的意識を持つことの大切さを理解していただけたでしょうか?
今回は、
クリティカルシンキングの基本姿勢第2弾。
テーマは、
「思考の癖があることを前提に考える」です。
「自分の考えは正しい」という落とし穴
「自分は物事を客観的に判断できる」
そう思っている人は少なくありません。
しかし、
人は誰でも無意識のうちに
「バイアス(偏見・思い込み)」
を持っています。
このバイアスは、
これまでの経験や知識、
育った環境、
人間関係などによって作られる、
いわば“思考のクセ”です。
例えばこんなケースです。
- 「この商品は、自分と同世代の女性に絶対ウケるはず」
- 「うちの会社は昔からこのやり方で成功してきた。だから間違いない」
- 「あの人は口数が少ないから、やる気がなさそうだ」
これらは一見もっともらしく聞こえますが、
実は根拠が薄く、
「〜のはず」「〜に違いない」
という思い込みで判断してしまっている可能性があります。
そしてこの思い込みこそが、
ミス・非効率・人間関係のトラブル
を引き起こす原因になります。
自分の“クセ”を疑うことが、視野を広げる第一歩
では、
どうすればバイアスに気づき、
客観的に考えられるようになるのでしょうか?
答えはシンプルです。
「自分の考えは間違っているかもしれない」
と一度疑ってみることです。
自分の意見や判断を一歩引いて見直し、
- 「本当にそうか?」
- 「なぜそう思うのか?」
と自問してみましょう。
そうすることで、
見えていなかった別の選択肢や可能性に気づけます。
例:大学のサークルイベント企画
悪い例(バイアスに囚われた場合)
「去年のイベントは大成功だった。今年も同じ企画で問題ないだろう」
→ 参加者層やニーズが変化していたことに気づかず、
集客が伸びずに終了。
良い例(思考の癖を疑った場合)
「去年は成功したけど、今年も同じ条件でうまくいくとは限らない」
「去年の参加者アンケートでは、どんな改善要望があったんだろう?」
→ データを集めて分析し、
今年の参加者層に合わせた新しい企画を立案。
結果、前年以上の満足度を実現。
このように、
自分の考えを一度疑うことで、
より確実で効果的な判断ができます。
感覚に頼らず「データ」で裏付ける
思考の癖を克服するためには、
感覚や経験だけで判断しないことが大切です。
- 誰かの意見を鵜呑みにせず、
「その根拠は何ですか?」と聞く - 自分の意見を出すときは、
「〇〇という調査結果に基づいています」と事実を添える - 企画を立てるときは、
ターゲット層へのアンケートや市場調査を行う
これは相手を否定するためではなく、
お互いの認識をすり合わせ、
より良い結論を導くためのプロセスです。

今日のミニワーク:あなたのバイアスを見つけよう
- 最近「これは絶対に正しい!」と信じたことをひとつ思い出す
- その考えの根拠を書き出す
- その根拠は事実か? それとも思い込みか?を確認する
小さな習慣ですが、
これを繰り返すことで、
自然と客観的に物事を見る力が育ちます。
次回は、クリティカルシンキングの基本姿勢③
「問い続ける」についてお話しします。
お楽しみに!

